僕はひとりで絵手紙教室のクラスに行って、自分の支度の準備と窓を開けておいた。
二人の先生が来て、今日は割り箸を割って、絵を描こうと言っていた。
割り箸筆の作り方は、折るというより「裂く」といったほうが適切である。水に漬けた箸を両手で持ち、しならせながら、一番弱そうな部分を探す。正面から見て、先が少しギザギザになるように裂けると使いやすい筆になる。側面から見て、横向きにすると細い線が描ける。
一枚目は、割れた湯呑みを描いてみた。「お茶を召しませ」と洒落た文句をつけてあげた。
二枚目は、細長い湯のみであった。「裂けた茶器」。割り箸で書いた文句は一味きいているねぇ。
三枚目は、「洗い終わったお茶」である。湯呑みに描かれた絵になかなか味があったなぁ。